短歌連作7首。姫島村の七不思議によせて
「阿弥陀牡蠣(あみだがき)」
洞窟に異形の様で生きる牡蠣
阿弥陀如来に姿を似せて
*
「拍子水(ひょうしみず)」
おはぐろの口ゆすぐとき岩の間に
水の湧き出る姫の手拍子
*
「かねつけ石、別名:おはぐろ石」
なしかえ、石の硬さをなしにして
くっきり猪口と筆の痕あり
*
「浮田(うきた)」
田は揺れる
埋めてしまったことわりよ
土に眠れる大蛇の怒り
*
「逆柳(さかさやなぎ)」
姫様の柳の楊枝逆さまに
土に挿し入れ柳 芽を出す
*
「浮洲(うきす)」
ちはやふる神の気持ちの通う洲に
荒ぶる波は決して届かず
*
「千人堂(せんにんどう)」
いつの世も鬼を生むのは人の業
善の千人かくまうお堂
詩情と伝説の島「姫島村の七不思議伝説」より
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